【医療従事者必見】14年の現場経験者がAI×Pythonで診療放射線技師向けシステムを作った話
はじめに
こんにちは!先日、AI(Claude)とのキャッチボールだけで、診療放射線技師向けのCT検査マニュアルシステムを完成させました。
元々Laravel版で作っていたものを、Python(Streamlit)に移行・大幅リニューアルしたのですが、基本的なコードを自分で書くことなく、AIとの対話だけでここまでできてしまったことに自分でも驚いています。
今回は、その開発プロセスと学んだことをシェアしたいと思います。
🏥 作ったもの:CT検査マニュアルシステム
システム概要
診療放射線技師が日々行うCT検査の手順やプロトコルを管理するWebアプリケーションです。

主な機能:
- 疾患別撮影プロトコル管理
- CTプロトコル管理(部位別)
- お知らせ・通知機能
- スタッフ間の情報共有
- 検索機能
今回の進化ポイント
Laravel版から以下の点が大幅にパワーアップしました:
🔐 セキュリティ強化
- 管理者権限システム
- 限定ユーザーのみアクセス可能
- ログイン・認証機能の充実
💾 バックアップ・復元機能
- 全データのZIP形式バックアップ
- ワンクリックでの復元機能
- データ消失リスクの大幅軽減
📋 新機能追加
- CTプロトコル管理機能
- リッチテキストエディタ対応
- 画像アップロード機能
- 高度な検索機能
👥 ユーザー管理強化
- 管理者による新規ユーザー作成
- 権限管理の細分化
- ユーザー情報の一元管理
🛜 クラウド型・クライアントサーバー型のWebアプリケーション
- どこからでもアクセス可能
- 複数端末での同期
- サーバー管理の簡素化
- リアルタイムでの情報共有

🤖 AI開発の実際のプロセス
始まり:「元々スタンドアローンで制作、たまにエラーも出ていたので最新版作ってよ」
最初はシンプルな要望でした。 「元々スタンドアローンでCT検査マニュアルシステムを作っていたんですが、たまにエラーも出ていたので、最新版を作り直してください」
AIとの対話を通じて、今後の運用面なども踏まえながら検討した結果、Streamlitを使ったクラウド型のWebアプリケーション構成を提案してくれました。
段階的な機能追加
ここからが面白いところ。AIとの対話を通じて、段階的に機能を追加していきました:
- 基本的なCRUD機能
- 認証システムの実装
- セキュリティ強化
- バックアップ機能の追加
- 新機能(CTプロトコル)の実装
- 管理者機能の充実
エラーとの戦い
開発中、当然エラーも発生しました。 でも、エラーメッセージをそのままAIに共有すると、的確な解決策を提示してくれるんです。
例えば、デプロイ時に「Error installing requirements」が出た時も、エラー画面をスクリーンショットして対応してもらい、requirements.txtの内容を確認・修正して、すぐに解決できました。
画面キャプチャを共有することで、AIも状況を正確に把握できて、より適切なアドバイスをもらえることが多かったですね。
🎯 AIプログラミングで学んだこと
「対話の仕方」が本当に重要
AIとうまく協働するには、実は対話の仕方が想像以上に重要でした。
ちょっとしたコツを掴むと、AIが本当に優秀なパートナーに変わります。
具体的なコツは…まあ、これは実際に体験してみないと分からない部分も多いですね。
プログラミング初心者でも本格システムが作れる時代(ただし…)
今回の経験で確信したのは、基本的なコードを書けなくても、ある程度しっかりとしたシステムが作れるということ。
ただし、これは全くの素人でもできるという意味ではありませんし、大規模、複雑になると厳しいかもしれません。
あったほうが良い知識:
- 基本的なプログラミング知識(変数、関数、条件分岐など)
- Pythonの基本的な記法・作法
- エラーメッセージを読む力
- システム設計の基本的な考え方
これらの知識がなくてもコツをつかめば進められますが、あるとAIとの対話がスムーズになります。
こちらの要望を正確に伝える際や、AIの提案を理解する際に、ある程度の技術的な理解があると効率的でした。
「コードは書けないけど、何をしたいかは明確に説明できる」レベルの知識があれば、AIとより効果的に協働できる、という感じですね。
💻 技術的な詳細
技術スタック
- フロントエンド: Streamlit
- バックエンド: Python
- データベース: SQLite
- 認証: セッション管理
- デプロイ: Streamlit Community Cloud
- 画像処理: Pillow(PIL)
- リッチテキストエディタ: streamlit-quill
アーキテクチャ
クラウド型のWebアプリケーションとして設計しました。
従来のスタンドアロン型と違い、以下のメリットがあります:
- 複数の端末からアクセス可能
- データの一元管理
- リアルタイムでの情報共有
- 管理・運用の簡素化
🏥 医療現場でのIT活用について
医療DXの現実
医療現場では、まだまだアナログな部分が多いのが現実です。
14年間医療の最前線で活動していたからわかるのですが、「こんなのあったらいいな」と思っている人は多いと思います。
でも、こうした小さなシステムの積み重ねが、現場の効率化に繋がっていくと思います。
現場目線でのシステム開発
今回特に意識したのは、現場で本当に使えるシステムにすることでした。
- 直感的な操作性
- 必要な機能に絞った設計
- セキュリティへの配慮
- データの保全性
🚀 今後の展望
次に作りたいもの
AIとの協働でここまでできるなら、次に作りたいものも決まっています!
診療放射線技師や他の医療従事者の方が興味を持つような内容を予定しています。
…乞うご期待!!
医療×テクノロジーの分野は、まだまだ可能性が無限大だと感じています。
AI時代の開発スタイル
今回の経験を通じて、AI時代の新しい開発スタイルを体験できました。
従来の「コードを書く」開発から、「AIと対話しながら作る」開発へ。
これは本当に時代の転換点かもしれません。
まとめ
Laravel版から始まって、AIとの対話を通じてPython版へと進化させた今回のプロジェクト。
想像以上にできることが多くて、自分でもびっくりしています。
プログラミング初心者でも、ここまでできる時代になったんだなと実感しています。
医療現場の方々にとって少しでも役立つシステムになれば嬉しいですし、この経験が同じようにシステム開発に興味を持つ方の参考になれば幸いです。
【追記】 システムは6月初旬には稼働します。小さな一歩ですが、医療DXへの貢献ができて嬉しく思います。
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